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あの人の期待を満たすために生きてはいけない
相手に合わせてしまう原因は、過去の出来事にある事がわかってきました。ある人は母親、ある人は父親、そして兄弟、親戚のおばさん、従妹の関係とさまざまです。時折学校の先生や、近所のおばさんなどの場合もありますが、基本的に「子供ながらに」衝撃的な出来事であったり、継続的に苦しかった体験が、トラウマになっている、またはそれが当り前と思っているなどの原因となっているようです。それでは、その解決法としてアドラー心理学の「課題の分離」からみていきたいと思います。
サダコ
私のお母さんはとても優しいです。
サダコさんのお母さんは優しかったのですね。
はい、私はお母さんが一番好きですし、愛情もたっぷりもらいました。
そうしたらサダコさん、サダコさんの事はお母さんが全てわかってくれて、いつも思い通りにしてくれてたと思いますか?
・・・・
私は・・・ 私は、いつもお母さんの為に頑張って迷惑かけないようにと思っていたんです。 でも、私の事をわかってくれたかというと・・・
サダコさん、私のお母さんも私の事を沢山心配してくれていたんですけれども、今考えてみると、それはお母さんの問題であって、決して私が望んだ事ではないと思ったんです。
ユウコさん、ではその事を一度アドラー心理学の「課題の分離」で整理してみようと思います。井上先生お願いします。
はい、アドラー心理学の「課題の分離」とは、自分の課題と相手の課題を分けて考えると言う事です。例えばユウコさんの場合、お母さんが厳しかったという事ですので、ヒステリックに怒ったり怖かった出来事を整理してみます。
はい
まず、お母さんの課題は「子供をちゃんと育て、母親としてしっかり認めてもらう事」ユウコさんの課題は「立派な大人になりたいという事」です。ユウコさんには、決して不安や心配事はなく、前向きに早く大人として認めてもらいたいと頑張っています。しかし、お母さんは、「自分の子供が迷惑をかけるような事をさせたくない」という思いや、「近所からも良い子に見らてたい」という欲求が先に立ち、娘の本当の思いが聞けていません。
確かに・・・
子供は親に対して愛情や承認を求めます。しかし親が親であるべき欲求が先に立つと、子供の欲求を満たせません。すると子供は、自分の事はわかってもらえなかったという思いになります。
お母さんに認めてもらうため、褒められるため、そして嫌われないように、頑張る事を選択し達成感を求め、相手に合わせる事をしてしまうのですね。
この「こころの仕組み」は、ほんの一例ですが、このような最初の親子の問題が、後で「嫌われないように」する事や、「相手に合わせる」事の原因となります。サダコはうすうすこの事を感じていますが、まだハッキリさせたくないようです。でもここを受け入れないと、前に進めません。カウンセリングでは、このような原因をカウンセラーが突き止めてしまい、告知してしまうと、カウンセラーが敵となり嫌われてしまいます。このような原因は本人が自ら気付くように促す必要があります。
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「アドラー女子」心理カウンセラー